ハイパーインフレという言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。
有名なものだとジンバブエのハイパーインフレなどはよく取り上げられるものの一つではないでしょうか?
このハイパーインフレになると私たちの生活はどうなってしまうのか解説していきたいと思います。
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ハイパーインフレとは
ハイパーインフレというのは一般的なインフレよりも異常な速度で物価が上昇していく状態のこと言います。
基本的にインフレは経済の発展には重要な役割を持つものですが何故ハイパーインフレになってしまうのでしょうか?
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ハイパーインフレが起こる原因
インフレが行き過ぎた場合
基本的にインフレは物価の上昇→価値が上がる前に買いたい人が増える→買いたい人が多いので物価上昇の循環で起こりますが
この流れが行き過ぎるとハイパーインフレが起きます。実際には行き過ぎる前に金融の引き締めで通貨の供給量を下げる等調整が入りますので単なるインフレが原因でハイパーインフレになることはまず無いと思います。
国の政治や治安が不安定になり国自体の信用が大きく低下した場合
突拍子もない例えですが「10年後に日本国は破たんしている」という事態になるとします。
そうすると今、日本円を持っている人たちは無くなる国のお金を持っていても価値が無くなるだけなので急いでほかの通貨等価値のあるものに交換しようとします。
そうすると日本円を手放す人があふれて、市場に大量の日本円が流出する事になり日本円の価値が大きく下がりハイパーインフレに陥る可能性があります。
生産・流通拠点が壊滅した場合
戦争や大規模災害等で国の生産・流通拠点が壊滅するようなことが起こると市場にモノが出回らなくなりモノの価値が急上昇してハイパーインフレに陥る可能性があります。
ハイパーインフレが起こる原因としてモノの供給が不足するという事が一番要因として考えられます。
ハイパーインフレになるとこんな事が起こる
ハイパーインフレになった場合、お金の価値は今よりずっと低くなっています。
コンビニで飲み物を買うのも今までは100円あれば変えていたものが5万円ないと買うことが出来なくなるというような状況になります。
紙幣が紙切れ同然になる
こんな写真をご覧になったことはありませんか?
これはジンバブエでハイパーインフレが起こった時の有名な写真です。
大量の紙幣を抱えていますが
なにもこの人が大富豪なわけではありません。
この大量の紙幣をもって食料品の買い出しに向かう様子を写したものになります。
このようにハイパーインフレに陥るとお金の価値が大きく下がるのでこのジンバブエの人のように今日の夕食の買い出しに行くにも大量の紙幣を持って買い物に行かなくては行けなくなってしまいます。
歴史上一番高額な金額の紙幣が発行されたのは1946年にハンガリーで印刷された10垓(ガイ)紙幣です。
10垓と言われてもピンとこないと思いますが、1から数えていくと一、十、百、千、万、億、兆、京、垓←京の次の単位がガイになります。
数字で表すと「1,000,000,000,000,000,000,000」という途方もない金額になります。
お金を使わない物々交換に逆戻りする?
ハイパーインフレが起こったベネズエラでは都市部ではデビットカードや振り込みによる支払いで紙幣を持ち歩かないでも買い物ができるようですが
都市部を離れるとそういった決済システムが完備されていないためお金を使わないで物々交換で欲しいものを手に入れるケースが発生しているようです。
お金のそのものの信頼よりもモノの価値のほうが信頼がもてる状況になればどの国でも物々交換に逆戻りする可能性は十分考えられます。
過去ハイパーインフレが起きた国
ジンバブエ
ハイパーインフレと言うばジンバブエという人も多いのではないでしょうか?
ジンバブエでは2008年にハイパーインフレに陥りました。
理由としては、ジンバブエの白人農家を追いやる政策をして農家がいなくなったため国内のモノの供給量が極端に減ったこと、富裕層や企業を自国から追い出すような政策をした事等を発端として経済が崩壊していきました。
政府は物価上昇に合わせた紙幣を発行し最終的に100兆ジンバブエドル紙幣が発行されるまでお金の価値が下落し最後はジンバブエドルは流通停止となりました。
ドイツ
第一次世界大戦が終了した後のドイツでもハイパーインフレに陥りました。
理由としては、戦争敗戦による経済の疲弊に不安定な社会情勢に加えて「ドイツ封鎖」でモノの供給量が大幅に減少するなど複数の要因でハイパーインフレとなりました。
最終的に100兆マルク紙幣が発行されるまでお金の価値が下落することとなります。
「ドイツ封鎖」とは
ドイツやオーストリア、トルコなどに対して、原材料や食料の供給を断つために、戦艦などで海上を封鎖する作戦」のことです。第一次世界大戦に勝利したフランス、イギリス、ロシアなどがドイツ封鎖を行っていました。
旧ユーゴスラビア(現)
1940年頃から経済が不安定でインフレの状態でしたが1990年の国内紛争で完全に経済が疲弊しハイパーインフレに陥りました。
1992年には100億ディナール紙幣が発行され、翌年の1993年には5000億ディナールという高額紙幣が発行されるまでお金の価値が下落することとなります。
アルゼンチン
1988年にハイパーインフレに陥りました。
理由としては、アルゼンチンとイギリスの間で起きた紛争(フォークランド紛争)で国内情勢が不安定になった事、経済政策を失敗したことで経済破綻しました。
1989年には物価が前年の50倍にまで上昇
最終的に50万アウストラルの高額紙幣が発行されるまでお金の価値が下落しました。
ハンガリー
第二次世界大戦終戦後の1946年にハイパーインフレが起こりました。
理由としては、戦争による経済の疲弊や国内情勢の不安定な事が要因となりハイパーインフレになりました。
このハンガリーのハイパーインフレはすさまじい速度で物価が上昇し朝400円で買えたモノがその日の夕方には800円になっているという具合の恐ろしい物価上昇が発生しました。
最終的に流通こそされなかったものの、10垓ペンゲー紙幣という天文学的数字の紙幣が印刷されるまでお金の価値が下落することとなりました
まとめ
ハイパーインフレについて理解は深まったでしょうか?
ハイパーインフレに陥ると経済に大ダメージを受けることとなりますので日本でも起きるのでは?と心配になるかと思いますが
まず日本でハイパーインフレになる可能性は無いと考えられますがその理由についてはまた別の機会に解説いたします。