この記事のポイント!
- 自己資本比率を確認するべし
自己資本比率が大きい会社は返済の必要な借入金に依存していない経営を行っているという目安になる - 有利子負債と現金同等物を確認するべし
有利子負債=利息の付く借金
現金同等物=現預金等すぐお金として使えるものの合計
有利子負債が現金同等物より大きい会社は注意が必要 - キャッシュフロー計算書で会社の資金繰りを見る
中でも営業キャッシュフローは重要 - 財務諸表に「継続前提に重要事象」や「継続前提に疑似注記」といった言葉が書いてる会社は要注意
- 格付け会社のランクで会社の信用力を確認する
その後の人生を大きく左右する就職活動
少しでも良い環境の会社に入社したいですよね
『給料が高い』『ネームバリューがある』『労働環境が良い』『会社の雰囲気が良い』『やりがいがある』
など人それぞれ求めるものに違いはあると思います。
しかしこれに関しては皆さん共通して知りたいものではないでしょうか?
『会社が潰れないか』
昨今では日本を代表するような大企業ですらも倒産寸前まで落ち込み海外企業に買収されたり大規模リストラを行ったりと言ったニュースをよく聞くようになりました。
自分が受ける会社はどうなのか?内定をもらった会社は潰れ無いか?
[speech_bubble type="ln-flat" subtype="R1" icon="bman1.png" name="先生"] 財務的に健全な会社見分けるポイントを伝授します。 [/speech_bubble]
Contents
健全な会社を見分けるポイント5選
- 自己資本比率を見るべし
- 有利子負債と現金同等物を確認するべし
- キャッシュフロー計算書を見るべし
- 継続企業の前提という言葉に注目するべし
- 格付け会社の格付けランクを確認するべし
すこし聞きなれない言葉もあったのではないでしょうか?
これらは投資家が会社に投資を行うときにその会社が健全かどうかを確認するための指標としてよく用いられるものです。
これらを知ることでその会社の健全性を把握することができます。
では上から順に確認していきましょう。
①自己資本比率を確認するべし
まず自己資本とは、株主の資産がどれだけあるかを表すものになります。
その内訳は大きく分けて資本金と利益剰余金に分けられます。
資本金とは株主が会社に払い込んだお金で、利益剰余金とは会社が今まで蓄積している利益の金額です。
その自己資本を会社の総資産で割ることで自己資本比率というものが求められます。
自己資本比率を見ると何が分かるのか
自己資本の資本金などは負債と違って株主が支払ったお金であるため返済義務が無く金利も発生しません。
総資産の内自己資本の割合が大きい場合はそれだけ返済義務のある負債に依存していない経営をしている会社という判断ができます。
自己資本比率が小さく負債が大きい会社は業績不振や不採算事業を抱えると負債の返済に追われて一転経営状態が危なくなる可能性があります。
そのためこの自己資本比率は会社の財務状態の安全性を図るのに有効な指標の一つとなります。
自己資本比率の目安は業界によって異なってきますが、一般的に30%以上であれば財務状態の安全性が高いと言われています。
②有利子負債と現金同等物を確認するべし
有利子負債とは
銀行からの借入れや社債など利息の支払いが必要な会社の負債のことでいわゆる借金だと覚えておいてください。
現金同等物とは
会社の現預金と3か月以内に満期の来る定期預金等を合わせたもの事を言います。
この2つを確認することでその会社にどれだけキャッシュとして蓄えがあってどれだけ返さなければいけない借金があるのか分かります。
借金が幾らあろうとも会社にそれ以上のキャッシュの蓄えがあれば返済も問題なく行えますので財務状態は健全であるとみることができます。
しかし現金同等物に比べて有利子負債が大きい場合や年々その差が大きくなっていっている会社には注意が必要でいずれ借金の返済が追い付かなくなり倒産する危険性も高くなります。
③キャッシュフロー計算書を見るべし
キャッシュフロー計算書とは、会社の現金の流れを見るための計算書で資金繰りを知るのに最適なものになります。
このキャッシュフロー計算書は大きく以下の3つに分かれており
営業キャッシュフロー=本業でのお金の流れを示す
投資キャッシュフロー=資産の売却や購入によるお金の流れを示す
財務キャッシュフロー=借入れやその返済によるお金の流れを示す
この3つの中で特に重要なものが営業キャッシュフローになります。
この営業キャッシュフローがマイナスになっている会社は本業でお金を稼げていないことを表しており何故マイナスになっているのかしっかり原因を知ることが重要になってきます。
http://biztta.com/bussines/management-cashflowwoyomu
➃継続企業の前提という言葉に注目すべし
会社が公表している決算書などの財務諸表というものは、会社が今後半永久的に事業を行っていくという前提で作成されています。(継続企業の公準)
しかしすべての会社は半永久的に続くわけではなく途中で潰れてしまう会社も多く存在します。
そこで経営者と監査人(監査法人や公認会計士)はその会社に債務超過や主要取引先の喪失、巨額の損失の可能性などその会社が今後継続して事業を行えるか判断できない事象が発生している場合には、「継続前提に重要事象」や「継続前提に疑似注記」といった文言を財務諸表に記載して危険サインを発信することとなっています。
この危険サインが出ている会社は今度好転するのか、懸念材料が解消するのか見極めなければなりません。
⑤格付け会社の格付けランクを確認するべし
格付け会社はその会社がお金を生み出して借入や利息等の返済をきちんと行えるのかどうか、という会社の信用力をランク付けしています。
このランクが高い会社は財務的にも安全性の高い会社であると言えますので是非確認してみてください。
主な格付け会社
まとめ
いかがでしたでしょうか。
少し難しかったりめんどくさかったりする内容もあったかと思いますがこれから何十年と働く会社です。
入社する前にしっかり会社を見極めることでその後の人生が大きく変わると思いますのでここでひとつ気合を入れてより良い会社を探してみてはいかがでしょうか
なおこの記事の内容をもとに会社を調べるには会社四季報という本を購入して調べることをお勧めします。
会社四季報を見るとこれらの情報がすべてつまっておりますので是非活用してみてください。
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