パートやアルバイトの給料明細の中に「源泉所得税」という項目で給料からお金が引かれている人は多いかと思います。
ですがこの「源泉所得税」一定の収入を上回らなければ引かれません!
その基準の月○○万円を所得税の基本的な知識と一緒にご紹介します。
Contents
働く人のための所得税の基礎知識
源泉所得税って何?
会社が給与支給者の所得税を毎月概算で計算して徴収するものの事です。
この源泉所得税のシステムがあるおかげで正社員やパート等の一般的な労働者は毎年確定申告をして所得税を自分で納める必要がありません。
年末調整って何?
年末調整というと年に一回お金が戻ってくるもの、程度の知識の人も多いかと思いますがそれは間違いです。
年末調整は、源泉所得税で給料から引いた金額と実際にその年にかかる所得税を計算して比べて
給料から引いた「源泉所得税」が多かった場合その引きすぎた税金を本人に返すもののことです。
ですので「源泉所得税」より「実際の所得税」の方が多い場合は年末調整に追加で税金を引かれるということももちろんあり得ます。
「源泉所得税」として毎月引かれる金額は実際の所得税よりすこし多く徴収されるように設定されているので基本的には年末調整でお金が返ってくる人の方が多いです。
所得税の税率はこれくらい
サラリーマンでも経営者でも給与に課せられる税率は変わりません。
所得税は収入が増えれば増えるほど税率が高くなっていく仕組み(累進課税)になっていて最高では所得の45%の所得税を納めなくてはいけません。
2018年8月現在の所得税率は以下のようになっています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超 1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1800万円超 4000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
例えば所得金額が600万円の人の場合
6,000,000×20%-427,500=772,500円
年間で772,500円の所得税がかかる計算になります。
所得税がかからない給料の金額
所得税の基本的な知識を抑えたところでタイトルの本題に移りたいと思います。
ズバリ毎月85,833円までであれば所得税は発生しません。
アルバイトやパートの方であれば毎月このくらいの給与を目安に仕事を調整していただくと所得税が0円になります。
所得税がかからない仕組みとは
103万円の壁というものを聞いたことはないでしょうか?
年末調整の時に配偶者や両親等の扶養に入るか入らないかの基準としてよく言われるこの103万円の壁ですが
実は所得税が0円になる基準にもなります。
103万円以下だと所得税がかからない理由
みなし経費の給与所得控除がある
給与収入には「給与所得控除」と言われる給料の金額によって変わるみなしの経費のようなシステムがあります。
例えば年間の給与が103万円だと給与所得控除は65万円になります。
なので税金がかかる金額は103万円ではなく65万円を引いた38万円ということになります。
103万円(給与収入)-65万円(給与所得控除)
=38万円(この金額に税金がかかる)
必ず38万円の基礎控除がある
所得がある人には必ず38万円の基礎控除があります。
これは、自分の所得から38万円所得を減らすもので所得が100万円でも1000万円でも変わらず
一律で一人38万円の控除になっています。
つまり103万円の給与内であれば
103万円-65万円-38万円(基礎控除)=0円
となるため課税される所得金額が0円となるために所得税が掛からないという仕組みになっています。
この103万円という金額ですがお子さん等扶養に出来る人がいればその分所得税が0になる収入の額も上がります。
扶養の人数別に所得税がかからない給与の基準
扶養の人数 | 年間の給与収入 | 月に換算すると |
0人 | 103万円 | 85,833円 |
1人 | 141万円 | 117,500円 |
2人 | 179万円 | 149,166円 |
3人 | 217万円 | 180,833円 |
4人 | 255万円 | 212,500円 |
5人 | 293万円 | 244,166円 |
※一般的な扶養控除で計算されています特別控除等を考慮すると金額が異なります
離婚して子供がいるかた、19歳から23歳の扶養になるお子さんをお持ちの方等はまた控除金額が異なってきます。
自分の所得控除がいくらになるか把握しておくと毎月いくらまで稼いでも所得税がかからないか分かりますので把握しておくと便利です。
国税庁のホームページに控除額が載っていますので参考用にリンクを貼っておきます。
まとめ
所得税がかからない金額で調整してアルバイトやパートをすることで所得税をお得に節税することができます。
自分の所得控除額を知って所得税0円の範囲でアルバイトやパートをするようにしてみてはいかがでしょうか?